第29歌 月と星
ご麗人、その愛らしさには感謝しよう。
僕の愛しい人の愛らしさが増すからだ。
歓喜の眼差しで、祝意と善意をもって
賛辞を捧げよう。美しく紡がれた衣装、
すなわちあなたの繊細な生命を頼りに
愛は苦労して女王の国を見積もるのだ。
曰く、「見よ、何と極まった美しさだ。
だが、最も美しい信女に過ぎないのだ」
ご麗人、彼女とあなたを並べてみよう。
女王を囲む夜の美しい炎たちの中でも
月のすぐ近くを漂う強気の星のように――
彼女の月光に重なったあなたの光線は
跡形もなく消え、その光に紛れていく。
麗人よ、栄光は彼女だけのものなのだ。
Dante Rossetti. "Moonstar"
in The House of Life (1898).