2019/05/01

新訳 W.シェイクスピア『ソネット集』 No. 43

【記事について】
W.シェイクスピア『ソネット集』に収められた154のソネット(14行の定型詩)を順番に訳していきます。翻訳は今回で3回目になります。

【詩について】
前回と同じく、今回の第43歌は美青年宛のソネット(1~126番)の一つです。この詩は、形相と影というプラトニックなイメージを使いながら、夜に浮かぶ青年の姿を称える一篇です。君に会えない昼は夜であり、君を思う夜は昼であるなら、君のいる昼はどんなことになるだろう、という視点がとても良いです。

【翻訳】
僕の瞳は閉じたときにこそよく見える、
日中は物事を散漫に眺めるだけだから。
僕が眠れば、瞳は夢の中で君を見つめ、
輝く暗闇となって暗い視界の中で輝く。
君の影でさえ影たちを輝かせるのなら
君の影の形相は大変な絶景を形作って
明るい昼をさらに明るく照らすはずだ。
影でさえ見えない瞳に眩しいのだから!
僕の瞳は大変に祝福されることになる、
もし生き生きとした昼に君を見たなら。
死んだ夜に見る君の麗しい残像でさえ
深く眠った視力のない瞳に留まるのだ!
君を見かけない昼が夜に見えるように
君を夢に見る夜は輝く昼に見えてくる。

【原文】(表記は現代英語)
When most I wink, then do mine eyes best see,
For all the day they view things unrespected;
But when I sleep, in dreams they look on thee,
And darkly bright, are bright in dark directed.
Then thou, whose shadow shadows doth make bright,
How would thy shadow's form form happy show
To the clear day with thy much clearer light,
When to unseeing eyes thy shade shines so!
How would, I say, mine eyes be blessed made
By looking on thee in the living day,
When in dead night thy fair imperfect shade
Through heavy sleep on sightless eyes doth stay!
   All days are nights to see till I see thee,
   And nights bright days when dreams do show thee me.