第28歌 魂の光
君ほどに愛される人はいるのだろうか、
君を愛し尽くせる愛はあるのだろうか?
歓楽の限りを尽くした後なのに、まだ――
まるで鬱蒼とした並木道の果てにある
昼の優しい魅惑のように――君の瞳の
奥深くにも飢えを増した興奮が見える――
愛が魂の籾殻を払う手で自らの内奥の
光と雫の弧を蒸留して得た火のようだ。
例えば、日の出を見た旅人は歓喜して
仄かな暖かさに舞い上がり、星の潮は
新生の奇跡を運び、薄明るく澄み渡る
一日の始まりには瑞々しい陶酔が湧く――
仄かな暖かさに舞い上がり、星の潮は
新生の奇跡を運び、薄明るく澄み渡る
一日の始まりには瑞々しい陶酔が湧く――
君の瞳と声の奥にある魂も、僕の魂を
限りない愛の多彩な光で震わせるのだ。
Dante Rossetti. "Soul-Light"
in The House of Life (1898).
【翻訳メモ】
・鬱蒼とした並木道(deep avenue)
立派な木が並んだトンネルのような道。
画像はtree avenueとかで検索できます。
・光と雫の弧(arc of light and dew)
この詩の一番の難読箇所だと思います。
僕は露の面に反射する光と取りました。
これはちょうど瞳の光と同じものです。