第27歌 天を巡る心
時々、君が君という一人の人ではなく
全ての存在の意味に見えることがある。
息も止まる絶景が遥かな前触れとなり
和やかに口を噤んだ見事な太陽が立つ。
落ち着いた唇は目に映る音楽の調べだ。
瞳が魂の日の出を閉ざす閂を降ろせば
奥深くに燃える神託の炎が二つ見える――
蒔かれ刈られる全ての生命を表す心が。
これこそ愛だ。君の名は愛ではないか?
間違いない、愛の神が君の手を借りて
夜の曖昧な作為をなす雲の群れを裂き、
雲を振り落とし、君の瞳を高みに据え、
ただ、挑戦の花や手袋を投げるように
君に抗う世界へ微笑みの杭を打つのだ。
Dante Rossetti. "Heart's Compass"
in The House of Life (1898).