2017/10/21

D・ロセッティ『命の棲む家』「愛の一日」

第16歌 愛の一日

彼女がよく過ごす羨ましい場所たちは
この一人寂しい場所を嘲笑うだろうが
今に限り彼女の恵みは席を空けている。
彼女がいるのは他でもないこの場所だ。
愛の魔法が愛の現れでこの場を占めて
異国の時間、過去の群れを生み出せば
愛の時間はこの良く響く小さな場所を
甘く心地よい同盟の歌で一杯に満たす。

ほら、思い出の多さに駆り立てられて
彼女の口元に繊細な愛のえくぼが立ち
ついに火がつき、言葉も翼を手にする。
僕らはここに座って、口づけの合間に
思い出を共に語り合い、無言になれば
忘れていたことを共に思い起こすのだ。

Dante Rossetti. "A Day of Love"
in The House of Life (1898)