2017/05/25

シェイクスピア『ソネット集』 第116歌

誠実な心同士の結婚に障害があるとは
思わせないでくれ。愛は愛でなくなる
相手に変化があると自分も心変わりし
相手が離れていくと自分も離れるなら。

ああ、違う!愛とは不動の灯台であり
嵐に遭っても決して揺らがないものだ。
愛とは漂う船たちを導く北極星であり
高度を測ってもその力は測り知れない。

愛は唇と頬が薔薇色でも道化ではない
そこに時の曲がった鎌が届くとしても。
愛は僅かな月日で変わるものでもなく
審判の日まで時を耐え抜くものなのだ。

これが誤謬だという異議が通るのなら
詩を書く僕も愛される人もいなくなる。