2017/10/20

D・ロセッティ『命の棲む家』「生来の絆」

第15歌 生来の絆

君は知らないだろうか、ある家庭では
新婚の床で双子を授かることがあるが、
一緒に養い育まれた胸や膝を忘れても
二人は恵まれた絆を失くさないことを?
――自分の父から生まれた子に対して
同じ善意から行いも考えもし、互いに
相手といるだけで、無言の語り合いや
一言の交流で共同体を完成させるのだ。

まさに愛しい君に初めて会ったときも
思うに、他の仲間たちの魂とも違って
命よりも近い血縁の気配を感じたのだ。
ああ、忘れられた地で一緒に生まれて
互いを目や耳にしないで何年も過ごし
生き別れた相手の魂だと気づいたのだ!

Dante Rossetti. "The Birth-bond"
in The House of Life (1898)