「海にかける情熱」(Sea Fever)
絶対に海へ帰るぞ、誰もいない海とあの空へ。
俺が欲しいのは大きな帆船と操縦のための星、
あの跳ねる舵輪、風の歌、真っ白な帆の揺れ
海面を覆う薄暗い霧、そして薄明るい朝日だ。
絶対に海へ帰るぞ、あの潮の流れの呼び声が、
無視できない大声がはっきりと聞こえるんだ。
俺が欲しいのは風が吹き白い雲たちが飛ぶ昼、
撥ねる水しぶき、飛ぶ泡、そして鴎の叫びだ。
絶対に海へ帰るぞ、ジプシー風の放浪生活へ
風も砥いだナイフとなる鴎の道へ、鯨の道へ。
俺が欲しいのは笑う海賊連中の愉快な冒険談、
そして長い幻の後の静かな眠りと美しい夢だ。
『海水の詩とバラッド』より
(Salt-Water Poems and Ballads, 1916)