2017/08/22

C・ロセッティ『小鬼の果実売り』「覚えていて」

私を覚えていて、私がいなくなるとき、
遠く静かな土地へと去ってしまうとき。
君が私の手を二度と握れなくなるとき、
背を向けた私が半分だけ振り返るとき。
私を覚えていて、毎日していたように
君の描く将来を私に語らなくなるとき。
ただ覚えていて。君も知っているはず
そのときには頼むのも祈るのも遅いと。
けれど私を忘れているひと時があって
その後で思い出しても落ち込まないで。
だって私がいつか抱いた思いの面影を
その暗闇と腐敗が残してくれるのなら、
私を覚えていることで悲しくなるより
忘れたまま笑ってくれる方がいいから。

Christina Rossetti, "Remember"
in Goblin Market (1862).