第8歌「恋の恋人たち」(Love's Lovers)
ある婦人は恋の帯に嵌められた宝石と
痛みのないダーツの金の針に恋をする
時間が情けなく振り回される恋の針に。
ある婦人は恋のリュートの柔和な音と
澄んだ声の賛歌に誇らしげな恋をする。
ある婦人は恋の盲目の視力を賛美する。
昨日の恋を運ぶ翼にキスをした乙女は
今日の恋を連れ去る翼に感謝を捧げる。
僕の婦人はただ恋の心に恋をしている。
愛すべき人よ、恋の心は君のためにと
想像に勝る花々と木々の寝室を整える。
今、そこに跪く恋は飢えきった様子で
髪の影の間に光る君の灰色の瞳を求め
君の唇によって自らの不滅に封をする。