2017/06/22

D・ロセッティ『命の棲む家』「愛の証」

第3歌「愛の証」(Love's Testament)

ああ、君は愛の一時に恍惚としたまま
いつまでも僕の心から離れようとせず、
愛の炎を纏い、君の心を愛の証とする。
僕が君の近くに来て感じた君の吐息は
愛の聖域の内奥で炊かれた香木の煙だ。
君は言葉もなく愛を抱き、愛の意図
溺れ、自分の命を僕の命と混ぜ合わせ
「私は君、君は私と一つ」と囁くのだ!

ああ、君からの恩恵は、僕の戦利品は、
愛の栄光はどれほど大きいだろうーー
もし君が深い底へと階段を通り抜けて
ため息の集う仄暗い退屈な水辺に来て
救出を試み、その瞳で冥界に囚われた
僕の霊を君の魂へ引き上げてくれたら!