第2歌「花嫁の誕生」(Bridal Birth)
長い暗がりを経た願いの夜明けに接し
生まれたばかりの子を見る母のような
眼差しと微笑みで立ち止まった彼女は
魂で長々と育んできた愛を知ったのだ。
命を授かった生き物らしく鋭い乾きと
激しい飢えを覚えた愛は、彼女の心の
暗がりで胎動しながら、産声をあげて
誕生の足枷を壊す日を待っていたのだ。
ほら、愛は翼で僕らの恋する顔を隠し
十分に成長した足を並べて木立を作り
温かい手で僕らの寝床を用意している。
やがて愛の歌と共に今度は僕らの魂が
愛の子となり、死に嫁ぐ肉体は移ろい
愛の後光だけが僕らの灯りとして残る。