クピドは愛の松明のそばで眠っていた。
処女神ディアナの侍女は好機を逃さず
愛を灯す炎が燃える松明の先を素早く
その渓谷の冷たい泉に浸してしまった。
するとその泉はこの愛の聖なる炎から
生き生きとした永遠の熱気をもらって
癒やしの温泉となり、今日でも人々は
難病の特効薬になると通っているのだ。
僕の恋人の瞳に新しく愛の炎が灯ると
少年の神は試しに僕の胸へ火を分けた。
僕はこうして恋を患い、助けを求めて
例の温泉へと急ぐ重病の旅人となった。
僕を癒やすただ一つの温泉が湧くのは
クピドが炎を見つけた僕の恋人の瞳だ。