2017/06/10

シェイクスピア『ソネット集』 第142歌

愛が僕の罪なら君の貴い徳は憎しみだ
罪深い愛に根ざす僕の罪への憎しみだ。
ああ!だが君は自分と僕の状態を比べ
咎めるほどのものではないと知るのだ。

咎めるべきでも、君の唇にはできない
その唇は身に纏った緋色の装飾を汚し
僕の唇のように愛の契約書を偽造して
他人の宿代からベッド分を盗み取った。

君への僕の愛も君の多くの愛も合法だ
人を口説く君の瞳も君に縋る僕の瞳も。
君の心に憐れみを植えて、育ててくれ
憐れまれるに値する憐れみになるまで。

人に隠して自分は得ようと求めるなら
君は君を拒む手本を見せることになる!