正直、僕は瞳で君を愛する訳じゃない
瞳は君の中に千もの誤りを見てしまう。
だが僕の心は瞳の嫌う人を愛している
見た目はともかくその人に溺れている。
僕の耳も君の話す音色を喜びはしない。
敏感な触覚も手触りが並みだと無視し
味覚や嗅覚が欲望をそそることもない
それぞれの感覚で君を味わうだけでは。
僕の五つの感覚なら押しとどめられる
君に仕えようとする一つの愚かな心を、
人間もどきになったまま戻ってこない
君の傲慢な心の奴隷を、惨めな家来を。
僕が唯一つ手に入れた彼女という病は
僕に罪を負わせて、僕を痛みで罰する。