2017/06/06

シェイクスピア『ソネット集』 第135歌

誰もが求める君にはお望みのウィルも
おまけのウィルも余計なウィルもいる。
僕は十二分に君を悩ませたのみならず
ここで君の甘い望みに足し合わされる。

果てしなく望む君の望みで許してくれ
君の望みに紛れようとする僕の望みを。
他人の望むことを慈悲深く眺めている
麗しい表情の輝きを僕は望めないのか?

海は水に満たされても雨を受け入れて
蓄えていても豊富に上乗せするものだ。
ならば望みに溢れた君も自分の望みに
僕の望みを加え、望みを増やしてくれ。

冷たさで美の嘆願者を殺すのはやめて
「ウィル」も「望み」に含めてほしい。