2017/06/04

シェイクスピア『ソネット集』 第134歌

もう彼は君のものと認めてしまったし
僕自身も抵当として君に引き渡したが 
僕は自分のことは諦めて、僕を慰める
もう一人の自分を君に返してもらおう。

しかし君と彼は離れてくれないだろう
君は欲が強いし、彼は気が優しいから。
僕のために保証人よろしく筆を執って
彼は債務に固く縛られてしまったのだ。

君はその美という権限を手にしてから
あらゆるものを貸し出す金貸しとなり
僕のために負債人となった友も訴えた。
僕は自分のむごい金利で彼を失うのだ。

僕は彼を失った。彼と僕は君のものだ。
彼が完済しても僕にはまだ自由がない。