2017/06/04

シェイクスピア『ソネット集』 第132歌

君の愛しい瞳は僕を憐れんでいるのか
君の心に蔑まれて苦しむ僕に気づくと
黒い喪服を纏って愛らしい喪を始める
僕の痛みを可憐に悲しく見つめながら。

真実のところ、天へ昇っていく朝日と
東の空の灰色の頬との相性でも及ばず
夕暮れの先触れ役を務める宵の明星も
静かな西の空を飾るには片目しかない
君の顔に似合った喪中の瞳に比べると。

ああ!君の心も君の瞳に似つかわしく
喪の哀悼を美点とするように僕を悼み
君の全部に憐れみを行き渡らせてくれ。

僕も誓おう、黒いことが美しさであり
君のような色艶のないことが醜さだと。