2017/05/28

シェイクスピア『ソネット集』 第120歌

あなたのいつかの冷たさが今の相棒だ
あの時に感じた悲しみが忘れられずに
自分の違背行為に頭を垂れるしかない
僕の神経が真鍮や鋼鉄でもない限りは。

僕の冷たさのために心震えたあなたも
僕のように地獄の時間を味わったのだ。
暴君だった僕には考える暇もなかった
自分ならあなたの罪にどう苦しむかを。

ああ!悲痛の夜が思い出させるものは
本物の悲しみが心の奥底を突く感覚と
あなたと僕が互いに早く渡し合うべき
胸の傷に効く慎ましさという軟膏薬だ!

今こそあなたの罪を保釈金に変えよう。
僕の罪とあなたの罪で互いを贖うのだ。