2017/05/16

シェイクスピア『ソネット集』 第97歌

君からの別離はまさに冬のようだった
年月を重ねていく喜びから離れるのは!
何と冷たく暗い日々だったことだろう!
不毛の十二月は何と年老いた月だろう!

だが夏は過去の季節となってしまった。
豊かな作物に満ちて大柄になった秋は
多情な春に得た重荷を抱え込んでいる
亡夫の子を腹に抱えた未亡人のように。

だが僕にしてみればこの豊富な子宝も
孤児の希望、父の無い果実に過ぎない。
夏とその喜びが君に仕えているために
君がいないと鳥さえも口を閉ざすのだ。

鳥は歌ってみても生気のない声となり
木の葉も来る冬を恐れて血の気を失う。