2017/05/11

シェイクスピア『ソネット集』 第88歌

君が僕を軽く扱おうという気になって
僕の功績を人々の蔑視に晒すときには
僕も君の味方になって自分自身と戦い
君の偽証さえも真実として立証しよう。

僕は自分の弱みに誰よりも詳しいから
君の弁護になる話を書くこともできる
自分の不名誉を招く秘密の汚点の話を。
そして君は僕を失って栄誉を得るのだ。

そうすれば僕だって受益者になるのだ。
愛する気持ちを全て君に捧げていれば
僕が自分自身に加えている危害すらも
君の利益という僕の利益になるからだ。

こうして僕は愛する君のものとなって
君の義のために全ての不義を負うのだ。