2017/05/08

シェイクスピア『ソネット集』 第82歌

君は僕の詩想と結婚してはいないから
お咎め無しで済むのも当たり前なのだ
文筆家から捧げられた言葉に目を通し
麗しい主題の詩集を祝福したとしても。

君は知性でも容姿でも優れているから
自分の価値が僕の賛歌に収まらないと
つい新しい賛歌を探してしまうだろう
時を経て発展した新鮮な様式の賛歌を。

好きにしたらいいだろう、愛しい人よ。
だが表現を歪める修辞的な発明よりも
真実に麗しい君に真実に共鳴するのは
真実を語る友人の率直な真実の言葉だ。

文筆家の厚化粧は血の通ってない顔に
よく効くものであり、君には逆効果だ。