2017/05/08

シェイクスピア『ソネット集』 第81歌

僕が生き残り、君の墓碑銘を刻もうが
君が生き残り、僕が地中で朽ちようが
この詩にある君の記憶は死も奪えない
たとえ僕が跡形もなく忘れ去られても。

君はこの詩から不死の命を得られるが
僕は死んだら全世界から消えてしまう。
僕は大地から平凡な墓穴だけをもらい
君は人々の瞳の中へと埋葬されるのだ。

僕の優美な詩が君の記念碑になったら
いつか生まれる瞳が何度も読むだろう
いつしか舌が君の姿を語り直すだろう
この世代が息絶えた後の時代が来ても。

僕のペンの徳性で君は生き続けるのだ
人々の口という呼吸の大通りを通って。