2017/05/06

シェイクスピア『ソネット集』 第77歌

鏡が映すのは君の美しさの衰えであり
日時計が告げるのは貴重な時の浪費だ。
ここの余白に君の考えを記しておけば
この学びを噛み締められる本が出来る。

その鏡が正直に映す自分の皺を見たら
君は口を開けた墓穴を思い出すだろう。
その日時計が密かに進める影の針から
君は永遠に続く時の盗みを悟るだろう。

君の記憶に入りきらないものは何でも
ここにある無駄な余白に預けておけば
君の頭脳から生まれた子たちが育まれ
君の心に新しい出会いをくれるだろう。

この日課の跡は君が目を向けるたびに
君に利益を与え、君の本を豊かにする。