2017/05/03

シェイクスピア『ソネット集』 第75歌

僕の想いにとっては君こそが命の糧だ
甘い香りを大地に降り注ぐ雨のような。
君の平安のためなら葛藤にも耐えよう
守銭奴が富にその覚える類の葛藤にも。

持ち主となったことを誇ることもあり
財宝を奪う人がいると疑うこともある。
君と二人きりが良いと思うときもあり
この喜びを世間に見せたいときもある。

君の姿というご馳走に満腹になっても
少しずつ空腹になり一目会いたくなる。
僕が求める喜びや僕が手にする喜びは
君がくれるものか君にもらったものだ。

僕の日々は痩せ衰えるか食べ過ぎるか
一口も残さないか一口も食べないかだ。