2017/05/31

シェイクスピア『ソネット集』 第126歌

ああ、愛すべき少年よ、君なら操れる
変わり身の早い時の鏡も時計針の鎌も。
枯れながら生い茂る君が見せるものは
恋人が衰えても美しく育っていく姿だ。

破滅を支配している自然という女王は
先に進む君を以前の姿に戻しているが
自然が君を引き止めるのは、その技で
時を侮辱し、卑劣な分秒を殺すためだ。

ああ、自然を慰める寵臣よ、疑うのだ!
自然の財宝も長くは引き留められない。
自然の帳簿は(遅れても)片付けられ
君は清算のために引き渡されるだろう。

※第126歌には最後の2行がありません。