2017/06/01

シェイクスピア『ソネット集』 第127歌

昔の人は黒を麗しい色と考えなかった
少なくとも美しい色とは呼ばなかった。
だが今や黒が美の後継者となったのだ
私生児の美しさだと侮辱されながらも。

人の手が自然の力の上で汚点を美化し
技術で偽物の借り物の顔を作って以来
甘い美は名誉でも神聖でもなくなって
人々に崇められながら冒涜されている。

僕の女王の瞳は大鴉のように黒くなり
彼女に似つかわしい喪服を纏っている
生まれでも運でも美しくなれない人の
偽物の外見に侮辱された創造のために。

その悲痛に似合う瞳の喪服姿を見たら
人の舌もこれが美だと言い出すだろう。