2017/05/30

シェイクスピア『ソネット集』 第125歌

天蓋を背負うことが僕の何になるのか、
それが僕に名誉ある外見をもたらして
永遠を目指すための基礎を築こうとも
荒廃や破滅に至ることは明らかなのに?

儀礼と寵愛に頼る人間を知らないのか
高すぎる代償を支払って何もかも失い
複雑な甘味のために素朴な風味を捨て
他人を気にして生きる哀れな成功者を?

僕は違う。君の心にしか媚びない僕の
粗末だが自由な奉納物を貰ってほしい
混ぜるような下心もないし、僕の技は
僕自身を君に渡して待つことくらいだ。

消えろ、雇われた密告者め!真の魂は
いくら告発をされても支配はされない。