2017/05/25

シェイクスピア『ソネット集』 第114歌

果たして君という冠を戴いた僕の心は
追従という君主の疫病を飲み干すのか?
それとも僕の瞳に映るのは嘘ではなく
君の愛が教えた錬金術だと言うべきか?

瞳の錬金術が奇形や無形の物を使って
美しい君に似た智天使たちを作り上げ
悪から完全な善を創造すると言うのか
瞳の光線が対象をまとめるのと同時に?

ああ!むしろ見えるものは追従であり
偉大な心はただ王らしく飲み干すのだ。
僕の瞳は心の喜ぶものをよく踏まえて
その味覚に合うように酒杯を用意する。

瞳が用意するものが毒杯でも罪は軽い
それを美味とする毒見役も瞳だからだ。