2017/05/23

シェイクスピア『ソネット集』 第108歌

頭の中をインクで綴った文字はどれも
僕の真心を表すものではないだろうか
新しく何を語り、改めて何を記そうか
僕の愛情や君の真価を表現するために?

美しい少年よ、信仰者の祈りのように
僕は同じことを毎日唱える定めなのだ。
君と僕のことは言い古しても古びない
君の麗しい名前を崇拝し始めた頃から。

新鮮な恋の中に収められた永遠の愛は
時間によって塵や傷にまみれることも
必然によって皺を作られることもなく
愛を記した古文書を永遠の従者とする。

そこには生まれたばかりの恋心がある
たとえ歳月と外見がその死を告げても。