2017/05/22

シェイクスピア『ソネット集』 第107歌

僕自身の恐怖心にも、予言者気取りで
将来の出来事を夢に占う広い世間にも
本当に愛しい人の借用期限は動かせず
ただ運命の定め通りに没収されていく。

だが命限りある月が蝕に耐えたことで
悲観的な学者の予感も笑いへ変わった。
今や様々な不確さも自ら王冠を保証し
平和が不朽のオリーブを予告している。

今からこの最も芳しい時代の雫を得て
愛する人は若返り、死も僕に降参する。
僕が貧相な韻文の中で生き続けるなら
死は言葉の無い連中しか虐げられない。

君の記念碑はこの詩の中にあるだろう
暴君の紋章や墓碑の真鍮が朽ちた後も。