2017/05/21

新訳 シェイクスピア『ソネット集』 第105歌

僕の愛を偶像崇拝などとは呼ばせない
僕の愛する人も偶像の姿には描かない
確かに僕の歌と称賛は全て同じように
いつまでも一人に捧げられるものだが。

僕の愛する人は今日も明日も優しくて
その驚くべき素晴らしさに変化はない。
君の変わらなさに拘束された僕の詩も
違いは省いて一つの事を表現している。

麗しく優しい真実だけを僕の題材とし
麗しく優しい真実を違う言葉へ変える。
この変化に自分の閃きを費やすことで
三位一体の題材が驚くほど豊かになる。

麗しさ、優しさ、真実は独り身が多く
今まで一人の中に揃うことはなかった。