2017/05/20

シェイクスピア『ソネット集』 第104歌

麗しき友よ、君は決して年をとらない
君は初めて目と目が合った時のようで
美しさもそのままだ。三つの寒い冬が
森から三つの見事な夏を打ち払っても。

三つの美しい春が黄色い秋へと変わり
僕が見てきた季節の移り変わりの中で
三つの香る四月を暑い六月が焼いたが
出会った頃から君は新鮮な緑のままだ。

ああ!それでも美しさは時針のように
足音もなく時計盤の数字を掠めていく。
僕には不変のものに思える君の美貌も
僕の目を欺きながら変化しているのだ。

未来の人々よ、恐ろしいが聞いてくれ
君たちの来る前に美しい夏は死ぬのだ。