2017/04/25

シェイクスピア『ソネット集』 第67歌

ああ!なぜ彼は堕落した人間と暮らし
その付き合いで不敬な人間に花を添え
自分のおかげで罪が得をするようにし
仲間連中をレースで綺麗に縁取るのか?

なぜ偽物の化粧は彼の顔つきを模倣し
生きた表情から死んだ外面を盗むのか?
なぜ哀れな美が遠回りして求めるのは
彼の真の薔薇ではなく影の薔薇なのか?

なぜ自然は破産しても彼を生かすのか
血管を流れて頬を染める血も無いのに?
今では彼の他に自然の財産はなくなり
その自慢の富も全てが彼の収入なのだ。

ああ!自然は彼の貯蓄で証明したのだ
今のように乱れる前の豊かな遠い昔を。