2018/08/31

聴くメモリアル・イヤー2019(4)ジャック・オッフェンバック

◯記事について
・生没記念の年を迎えるクラシック作曲家の紹介。
 人物・音源はNaxos Music Libraryで探しました。
 (NMLの検索窓にCD番号を貼り付けて下さい。)
 Art TruckがあればYouTube動画も貼っておきます。
・来年演奏したい方々のために前年から書いてます。
・今回はジャック・オッフェンバック生誕200年
 『地獄のオルフェ』のカンカンは運動会の定番。笑
 来年のアンコール曲はこれで決まりだ!

◯人物紹介と来歴
・ジャック・オッフェンバック
 (Jacques Offenbach, 1819-1880)
 ※早稲田大のサイトで写真に着色してみました。
 (http://hi.cs.waseda.ac.jp:8082/)

概要
 ナポレオン三世の治世で活躍したドイツ出身の作曲家。
 喜歌劇(オペレッタ)を人気ジャンルとして確立した
 ※喜歌劇=分量・内容・性格などが軽い歌劇。
 日本の大正浅草オペラでも様々な作品が上演された
 継承者はJ.シュトラウスA.サリヴァンだそうだ。
 ウィーンとロンドンでも人気があったからかな。

青少年(1820-50年代)
 ドイツ中西部の都市ケルンに生まれる。
 親はユダヤ教の礼拝歌手(ハッザーン)だった。
 幼くして才能を示し、14才でパリ国立高等音楽院へ。
 しかし、音楽院が合わずに辞め、チェロ奏者となる。
 20年間の演奏活動の傍ら、喜劇上演の夢を持ち続ける。

壮年(1850-60年代)
 36才で小劇場を開いて自作を発表し始め、人気は上々。
 特に、1858年の『地獄のオルフェ』は大成功を収める。
 その後も喜歌劇を書き続け、国際的名声も高めていく。
 また、皇帝から市民権と最高勲章ももらっている。
 C.モネ『テュイルリー公園の音楽会』(1862年)
 黄色い矢印の場所にいるのがオッフェンバック。

晩年(1870年代)
 フランス皇帝との繋がりとドイツ系の出自のため、
 普仏戦争の後は肩身の狭い思いをしたそうだ。
 他方、国際的評価は衰えず、パリでの人気も回復する。
 最晩年は亡くなるまで『ホフマン物語』を書いていた。
 今日ではこの作品も彼の代表作とみなされている。

◯作品紹介
・『地獄のオルフェ』(1858年)
 オッフェンバックの代名詞といえる喜歌劇。
 『天国と地獄』とも訳される。
 内容はオルフェウスの冥界下りのパロディ。
 元の神話の綺麗な部分を全部汚していて笑える。
 「カンカン」はとにかく有名(下のYouTube参照)。

・『ホフマン物語』(遺作)
 オッフェンバックが最晩年をかけて制作した作品。
 内容は主人公ホフマンの奇妙な恋愛遍歴の断章。
 (人形の恋人、歌うと死ぬ恋人、影を奪う恋人…)
 E.T.A.ホフマンの作品を再構成したものになっている。
 代表的な部分は第四幕で歌われる「舟歌」。

◯音源紹介(Naxos Music Library)
・喜歌劇『地獄のオルフェ
 演奏者:リヨン国立歌劇場管(ミンコフスキ)
 CD情報:Warner Classics(5099994823356)

・歌劇『ホフマン物語』(ハイライト)
 演奏者:パリ音楽院管(クリュイタンス)他
 CD情報:Warner Classics(0724357286558)

・バレエ音楽『パリの喜び
 編曲者:E.カンゼル
 演奏者:シンシナティ・ポップス管(カンゼル)
 CD情報:Musical Concepts(ALC1073)
 メモ:オッフェンバックの楽曲を一曲に編んだもの。
    編曲者による演奏もGood!

◯音源紹介(YouTube動画)
・『地獄のオルフェ』序曲
 演奏者:サドラーズウェルズ劇場管
 投稿者:The state51 Conspiracy(Art Truck動画)
 メモ:カンカンが流れるのは6:00くらいから。