2017/12/02

D・ロセッティ『命の棲む家』「愛の道化飾り」

第23歌 愛の道化飾り

立ち寄ると、愛が腕一杯に抱えていた
 細く奔放な花々と滑稽な果実の玩具を。
 婦人たちは愛の周りへ熱烈に群がって
その奇妙な蓄えに指や唇や身を寄せた。
すると片手からは花びらと果実の芯が
 眠りを香らせて、房と巻き毛の若芽が
 他方の手から恥ずかしげに挨拶をした――
この賜物に私は頬が火照るのを感じた。

次に愛は私の麗人にも贈り物をさせた。
 目をやれば、そこには雫がきらめいて
 手に取れば、彼女の手を照らしていた
奥に秘めた燃える心の天妙なる表情が。
愛は告げた。見給え、彼女のその手を
愛の道化が愛の真の使者に変わるのを。

Dante Rossetti. "Love's Baubles"
in The House of Life (1898).