第24歌 青春謳歌
私たちが死者に捧げる悲哀も、子供の
心ではほとんど感じることができない
子供の澄んだ精神は思い悩まないのだ
彼らが死ぬ番で、自分が生きる番でも。
翼を授かった新しい恋も微笑みながら
渦巻く羽毛伝いに日の出の風を浴びて
前へ胸を張り、後ろには目もくれない
儚い昔の恋を覆っている夜の破滅には。
思い返す一時一時に変化があるものだ
草原に咲く最後の九輪桜を目にすると
同じ日に咲いた最初の雛芥子も見える。
あわれなるかな、刻一刻と進む変化よ!
華やぐ青春の手から落ちた全ての恋よ
祈りを数える数珠繋ぎのビーズたちよ!
Dante Rossetti. "Pride Of Youth"
in The House of Life (1898).
翻訳メモ
最後のbeads of a told rosaryは特殊な表現。
祈祷の補助でロザリオを数えることがある。
ビーズを辿りながら祈りを重ねていく感じ。
tell one's beadsで「祈る」という慣用句に。
ただし、ここは慣用的というより視覚的だ。
(前へ進む青春とビーズ手繰りの比喩。)