2017/11/08

D・ロセッティ『命の棲む家』「美しさの極み」

第18歌 美しさの極み

彼女に備わる美しさは美しさの極みだ
ホメロスやダンテの崇高な心の魅力や――
時の領野を鋤くミカエルの手腕よりも――
大きな音楽的神秘を体現しているのだ。
それどころか、春と夏の芳しい歩みと
生い茂る命が運ぶよりも多くの賜物が
この最高の表情に集まり、愛の魔法は
壁に映る影の形にも吹き込まれている。

多くの若者が詩人となり、彼らの弦は
一つに美しく撚り合う魂のために歌う
あらゆる変化を乗り越える不屈の歌を。
それゆえ、毒を含んでいる年月の歯が
真実のない浅はかな美を裂くとしても
この美しさは損なわれずに済むだろう。

Dante Rossetti. "Genius In Beauty"
in The House of Life (1898)