第19歌 沈黙の正午
生い茂る新緑に君の手のひらが広がり――
その指先は薔薇色の花のように見える。
君の瞳は和やかだ。草地の明暗が揺れ、
上には離合集散にうねる空模様がある。
僕らの巣の辺りは、目の届く限り一面、
銀の縁をした金の金鳳花畑が広がって
その山査子の生け垣を杓が囲んでいる。
砂時計のような目に見える沈黙がある。
陽光の差し込む茂みの奥には、蜻蛉が
空からほどけた青い糸のように止まる
天から舞い降りた君との時間のように。
ああ!心で抱き合う間も、不死の遺産、
僕らの二重の沈黙を愛の歌へと変える
親密で不正確な時間は過ぎ去っていく。
Dante Rossetti. "Silent Noon"
in The House of Life (1898)
in The House of Life (1898)