第9歌 熱情と崇拝(Passion and Worship)
炎の翼をした者が白い翼の竪琴弾きを
二人きりの彼女と僕の許へ連れてきた。
「見よ、この楽人は素性もわからない。
彼を去らせよ、この場では私が楽人だ。
恋の友には私の歌こそ親しい歌だろう」
僕は言った。「お前のオーボエの音に
恍惚とするときも、この竪琴の唸りに
彼女は深くて澄んだカデンツァを聴く」
彼女も言った。「お前が恋の熱情なら
こちらは恋の崇拝、共に彼の誓うもの。
お前の熟練の音楽は日に輝く海を歩む。
ならば青白い流れが木立の間に揺れて
そこで青白い月が一切の光となるとき
この竪琴は私の名前をその伴奏とする」