2017/11/06

D・ロセッティ『命の棲む家』「美の祭典」

第17歌 美の祭典

夜明けに聞こえる空の心臓の高鳴りや
南中を迎えた昼が受肉したばかりの花――
五月の周りを武装する驚異的な風景や
芳しい六月に賛美を捧げる大合唱の声。
この自然の大作業による栄光の変遷も
最も愛らしい女性の容姿と顔立ちから
この時とこの部屋に醸し出されている
様々な恵みには敵わないのではないか?

愛の真正の衣装と選び抜かれた仮装が
個々の仕草に宿る――新たに生まれた
百合、白鳥、白鳥首の帆船の奇跡たち。
今や切ないため息をつく人の視界にも
喜びが配られる。未来の瞳は可哀想だ
彼女を見ずにこの言葉を読むのだから。

Dante Rossetti. "Beauty's Pageant"
in The House of Life (1898)