第17歌 美の祭典
夜明けに聞こえる空の心臓の高鳴りや
南中を迎えた昼が受肉したばかりの花――
五月の周りを武装する驚異的な風景や
芳しい六月に賛美を捧げる大合唱の声。
この自然の大作業による栄光の変遷も
最も愛らしい女性の容姿と顔立ちから
この時とこの部屋に醸し出されている
様々な恵みには敵わないのではないか?
愛の真正の衣装と選び抜かれた仮装が
個々の仕草に宿る――新たに生まれた
百合、白鳥、白鳥首の帆船の奇跡たち。
今や切ないため息をつく人の視界にも
喜びが配られる。未来の瞳は可哀想だ
彼女を見ずにこの言葉を読むのだから。
Dante Rossetti. "Beauty's Pageant"
in The House of Life (1898)
in The House of Life (1898)