第13歌 青春の交唱
「愛してるよ。僕がどんなに恋しいか
わかるかい?」「私も君が恋しいから
わかるよ」「自分がどんなに美しいか
君は知らない」「君が愛してくれれば
私の恋にそれ以上の美しさはいらない」
「刻々と愛が増していく」「私も同じ。
でも、ずっと前から愛は一杯のまま!」
恋人たちの言葉は口づけに交代される。
ああ!幸せ者はこうした言葉のために
青春の日に時を忘れて語り合い、世間、
仕事、競争、名声、手を組んで訴える
生きとし生けるものを忘れられる――
そして溜め息と沈黙が訪れ、溶け合う
二人の魂に愛が法悦の唱和を囁くのだ。
Dante Rossetti. "Youth's Antiphony"
in The House of Life (1898)
in The House of Life (1898)
・悩んだところのメモ
What while Love breathed in sighs and silences
Through two blent souls one rapturous undersong.
Through two blent souls one rapturous undersong.
最後の二行を考えていたら二週間が過ぎてしまった!
what whileという表現は古くからある詩人の用法。
undersongは口づけの音という理解に落ち着いた。
恋人たちの独唱、溜め息の休符、口づけの斉唱。