第35歌 灯火の神殿
時には君の欠点を知るのも厭わないし、
欠点があっても僕は君を愛せるだろう。
僕らの主である愛ならば、どうやって
君を崇める完璧な賛辞を削るだろうか。
何てことだ!愛は僕の心にある倉庫を
人から見て無価値なものに変えたのだ。
するとそこに灯る君の炎は魅力を増す、
玄武岩の奥のクリソプレーズのように。
卑下していなくても、僕は愛の神殿で
愛の顔の放つ光線に包まれてしまうと、
君の心というきらめく宝石を仕舞って
無粋な箱で輝いてもらおうとするのだ。
ご覧!君の見事さへの称賛になるなら
僕の心はこの惨めさも誇りとするのだ。
翻訳メモ
・君の欠点を愛はどうするのだろうか。
僕の卑しさでごまかしてしまうのだ。
岩に埋まった宝石という比喩が良い。
Dante Rossetti. "The Lamp's Shrine"
in The House of Life (1898).
in The House of Life (1898).